抗VEGF抗体硝子体内注射治療は、
- 滲出型加齢黄斑変性
- 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
- 糖尿病黄斑浮腫
- 病的近視に伴う脈絡膜新生血管
の4つの疾患に保険適応となっています。
いずれの疾患も網膜の中心部分であり、視力にとって最も大事な黄斑が障害される疾患です。
当院ではいずれの疾患に対しても治療を行っております。
抗VEGF抗体硝子体内注射の効果
上記4つの疾患はいずれもVEGFという因子が関与しています。抗VEGF抗体はVEGFのはたらきを抑える作用を持ちます。その作用により病気の状態を沈静化させることができると言えます。
しかし出血や網膜剥離や浮腫などによって障害を受けてしまった網膜の視細胞自体は再生しないため、治療が上手くいったとしても視力が元通りになるわけでなく、そのあたりが今後の課題と言えます。
とはいえ上記4つの疾患は放置しておくと進行性の視力障害につながることがほとんどであり、病気の状態を沈静化させることは非常に有効な手段であると言えると思われます。
抗VEGF抗体硝子体内注射の治療法
抗VEGF薬を白目のところから細い注射針で眼球内に注射します。
日帰りの治療になり、注射当日は眼帯をし、目に水が入らないように入浴は控えていただく必要がありますが、翌日以降は日常生活を送っていただくことができます。
注射の前後3日間は予防のため抗菌薬の目薬を点眼していただきます。
この治療は1回注射をしたら治療終了というものではなく、月1回の注射を症状が安定するまで継続し、病気の状態によって注射を追加します。
たとえば滲出型加齢黄斑変性では個人差がありますが、平均すると年5回程度注射が必要になります。
目に注射って怖いんだけど、あと痛くないの?
多くの患者様が心配されることは、目に注射をするということで「怖い」「痛いんじゃないか」ということだと思います。
注射の際、針は見えないように注射をしますし、麻酔の目薬をしっかりやってから注射をしますので、基本的には大きな痛みはありません。
はじめて注射を受けられた方が、思ったより痛くなかったと言っていただける方がほとんどなので、ご安心いただければと思います。